園地PR

コ・ダ・ワ・リのりんご生産

青森県のりんごの歴史は130年余。りんごの苗木が青森県に持ち込まれた明治以降、その歴史の中で多くの有能な名士達が輩出され、局面における強いリーダーシップで幾多の困難を乗り越えてきたからこそ青森県にりんごが根付いていると言えます。

 りんごほど歌の中で表現される果実もなく、戦後は特に復興の象徴として人々のささやかな幸せの1ページを刻んでいったのではないでしょうか。

 そんな歴史を背景に、当園は様々な工夫を凝らしながら、新たなりんご王国の1片を模索してみようともがいてみております。

◆フェロモン防除と減農薬栽培

フェロモン剤を利用することにより殺虫剤の使用数の削減はもちろん、天候や病気の発生状況の観察で殺菌剤も削減するように努めています。青森県の防除歴はもともと使用薬剤数は少なめに設定されています(比較的冷涼地ということもあります)が、更にその半分の成分カウント数になるように散布設計しております。もちろん単なる減農薬が目的ではなく、一大産地を守る上で、農薬の使用が全くの悪者であるとは感じておりません。病害虫が蔓延するのを防ぎ、継続的に商品価値の高い生産物を産み出すことが最大の目的でありつつ、「無駄な薬剤を削減する」「ある程度の病虫害を許容する」「生態系のバランスのとれた‘生きている’園地づくり」を目指して取り組んでおります。

 

現在、りんご樹には害虫も去ることながら益虫も様々。しかしながら、近年のスズメバチの多発は、減農薬の一定の弊害か?とも感じております。作業者や園地に遊びに来る子供たちに被害を及ぼさないように、より一層の工夫が必要と考えています。

 

 

 

<左>赤い紐状のモノがコンフューザーRで10aに100本取り付けます。2012年で11年連続使用となりました。三角屋根のものはモニタートラップで当該害虫の発生個体数を調査します。

<上>殺虫剤も少ないせいかカエルものんびりしています? 

 

 

<左>ペットボトル(1.5㍑以上の大きいもの)を用意して、蜂が寄ってきそうな液体等を適当に調合して、溺れそうな程度の量を充填。香りが揮発するもの、甘いもの、発酵しそうなもの、自宅にあるものという観点でこの時は赤ワイン、米酢、砂糖を適当に匂いを嗅ぎながら調合しました。特にこれでなければというものは無いようです。

設置場所はなるべく日当たりが強くないところに吊るすのがいいみたいです。

<下>まんまとこんなにスズメバチが。結局、巣は見つからなかったので、近くの雑木林から飛来してきていたのでしょう。

 

◆剪定枝の土壌還元

作付面積の約30%において剪定した枝を専用の機械(「チッパー」)で粉砕し、堆肥化または直接地面にばら蒔いて、土壌還元しております。かなりの太いものも粉砕可能な機械を使用していますが、5センチ径以上のものは冬場の暖房燃料としても有効となります。

 

◆地域資源活用

青森県の地場産業のひとつであるホタテ養殖産業の廃棄物「ホタテの貝殻」。これを園地の排水不良地の地下部に暗渠パイプを纏うように埋めていきます。いわゆる暗渠疎水材と言われるものですが、かつては砕石や川砂利、籾殻など様々な材料が考えられてきましたが、その効果や扱い易さを考えても、このホタテの貝殻が最も有効と考えております。

 

◆パルメット仕立て

矮性台を利用して、3m×3mで列方向に出来る限り平面に仕立てています。作業性はすこぶる良好。樹形維持も容易です。

 

◆斜立仕立て

矮性台を利用して、4m×2mで栽植したふじを交互に反対方向に斜立させた。収穫作業の効率は高いが、作業空間が意外と狭く、大人数での作業は必ずしも効率的とは言い難い。開園コストが高いのも難。

   

<左>7年生時点での結実状況  <右>2013年剪定後にハシゴの上から撮影

 

◆葉とらず栽培

 (財)りんご協会青年部の事業として、「葉とらず栽培普及推進事業」に取組み2012年で4年目。約20年前にも同青年部の諸先輩方が取組み、道筋をつけた葉とらず栽培に、今一度脚光を当て、さらに一層普及させていくために、汎用性のある生産・販売体制を模索しております。

 単なる「葉を取らない」栽培ではなく、敢えて「葉を取らず」に、食味重視の果実の供給をすることは、究極の栽培技術の集約といっても過言ではありません。りんごの王様ふじの更なる需要拡大を目指し、今後も高い目標をクリアすることを目指していきます。

 因みに、園主自身の大学の卒論は「葉とらず栽培」に関する研究だったのも、何かの縁と感じています。

【写真:2012年は当園のふじの生産量の約1割で実施。】

※葉を取らない状態で、樹上の果実一つ一つ、葉っぱ一枚一枚に光が当たるように管理する必要があります。果実の肩部を中心に着色が劣るものはどうしても数割収穫されますが、果実の食味の充実に寄与する葉を最後まで取らないことで、着色が劣るものでも食味が向上するようにしています。

 

 

 

◆潅水装置

 水田転換園の強みである水利の良さと言えます。ただ、園地全体に効率よく潅水するのは余程条件が揃っていないと難しいでしょう。理想的なのは下の写真のように列植栽の端の樹まで地中に塩ビパイプを施し、そこから樹列に沿って樹冠下に水を噴射または点滴する方法です。過剰にぬかるませたり、乗用モーアやSSなどの機械作業の邪魔をすることはほとんどありません。ただ、その列の入口までどのように水を送り出すかが問題なのです。自然の落差で行けるのか、ポンプアップが必要なのか。電気にしろ、エンジンにしろ干ばつしている間作動させることはかなりの経費が係ることになりそうです。2011年から、毎年のように干ばつ傾向があるのは正に温暖化や異常気象と言えるのかもしれず、今後も常に背中合わせでのりんご栽培となることが必至なら、水田転換園では水利の確保は必須課題言えます。

【写真は45aの2-2号園での潅水装置。用水堰から自然の落差で園地全体に行き渡らせることが可能となっています。0.4㎜厚の送水ホースにキリなどで穴を開けているため、時々藻などで詰まることがあるのが玉に瑕です。2013年度は約80aの6号園での潅水方法を只今思案中です。】